題名から、スケール感のあるなにか??を
想像される方もいらっしゃるかと思います。
しかし、この演目の「世界」とは「廓(遊郭)の世界」、
特に京の島原を指しています。
曲中では島原に集う男女が、様々に生き生きと描かれています。
松の位の太夫(上位の遊女)から、新造(若い遊女)、端女郎まで、
同じ遊女といっても位の高さも日々の事情も違う女性たち。
足繁く、場合によっては人目を忍んで通う客もいれば、
間夫(遊女の恋人である男性)もいます。
冷やかしなのか、ちょっと遊郭を覗いてみるだけの男たちも。
そんな艶やかな日常が、まるで絵巻のように繰り広げられる一方で
遊女にとっては苦界である廓の世界で気丈に生きようとする
女性たちの心意気も描かれています。
吉村流の中でも古くからあり、手数の多い洒脱な振付がついております。